[コメント] ドッグヴィル(2003/デンマーク=スウェーデン=仏=ノルウェー=オランダ=フィンランド=独=伊=日=米)
ある意味、禁じ手。『メメント』の逆回しと同じで(いっぱい模倣されたが)、あの舞台装置は、一度だけしか通用しない手法。恐れ入りました。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
実験室の中のでもいるような、映画。あのセットも、全然違和感なく、飽きることもなく、ほんとにモルモットたちの村を上から俯瞰しているような、今までに味わったこともない感覚。それだけとっても、この映画の試みは成功しているかもしれない。
この映画に咲く大輪のバラ、ニコール・キッドマン。この映画は彼女の存在感なくしては成功しなかったであろう。それでいて、いま頂点に立つ女優でありながら、なんと挑戦的であることか。圧倒されました。
ポール・ベタニーは、やっぱり演技の幅が広い、若手の中ではNo.1かもしれない。しかし彼は本作でもそうだが、「主役」ではなく、「主役を活かす役」でその魅力が出る。「華がない」が「実がある」俳優。
で、映画自体として、5点です。3時間の長尺でも飽きさせることなく、それでいて風呂敷を広げすぎない、まとまった映画です。そのなかでブラックな皮肉を余すところなく効かせた、とにかく今までに味わったことがないような傑作です。この「毒」は、中毒になりかねない、両刃の剣。一歩間違えば、見る者を殺してしまいかねない。
それぞれの役者も、さすがうまいね。村の人々の顔が、同じでありながら、後半は全く違うようにみえるし(特にクロエ・セヴィニー)。
「もう一度みたいか?」と聞かれたら、迷うけど。(飽きたという意味でなく、皮肉がツラく感じてしまったから)。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。