[コメント] シービスケット(2003/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ローラ=ヒレンブランドのノンフィクション小説「シービスケット あるアメリカ競走馬の伝説」の映画化作品。
2003年のアカデミー作品賞にノミネートされた作品で、更にオフラインでの知り合いが口を揃えて「この作品は良かった」と言うので、時間的にちょっと無理して観に行った作品。
で、はっきり言ってしまうけど、これは外した。悪くない作品だとは思うけど、正直なんでみんながこれだけ褒めるのか、ちょっと理解できない。開始後45分で時計を見てしまったよ。
一言「合わない」で済んでしまうのかも知れないけど、それでは私の気が済まないので、書きながら考えさせてもらおう。
先ずストーリー全体。前半部分と後半部分の情報量が全く違う。前半は時間の流れを断絶させて何とかスピードアップを図っているが、その姑息な手段が見え見え。そうじゃなくて、たとえ原作ストーリーを多少改竄してでも、見せ場を前半部分に持ってこなければならなかった。後半に重点を置こうとする姿勢は分かるが、だからこそ、前半でキャラクターを魅力的に見せる必要があるのに。こんな退屈にさせることもなかろうに。後半部分はさすがに力の入り方が違って、見せるけど、やっぱりなんだかバランスが良くない。実話だからといって、演出はもう少しきちっとやってもらわないと。どこで終わるのか、判断がつきにくかった。
次に演出。特にレース中の疾走する馬の視点からとか、確かにカメラアングルとかかなり凝ってはいるんだけど、目新しいところが無い上に、あんなカメラ揺らしては酔うよ。画面に集中して欲しかったら、あんな画面を揺らしてはいけない。 キャラクターに関しては…まあ、悪くないか(笑)。でも強いて言うならマグワイアとブリッジスをあれだけ出すんだったら、3人目の主役であるクーパーをもう少し丁寧に描いて欲しかったね。ライヴァルのアイスマン役のスティーヴンス(実際のトップ騎手なんだが、若き頃のボギーに似てると思ったのは私だけ?)だってもっとスポット当てて欲しかった。これだけ長い時間使って、魅力的なキャラを演出できなかったのも問題だ。
後、言わせてもらうと、ラストの台詞には引きまくり。騎手は馬の気持ちが分かるって事?でもね、無理矢理競争させられる馬の気持ちをあんな風に勝手に代弁されるのは馬の方だって嫌なんじゃないかなあ。少なくとも、私は思いきり引いた。
総じて言うと、映画単体としてさほど悪い映画じゃないんだけど、全体的なバランスが悪すぎる。
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