[コメント] テキサス・チェーンソー(2003/米)
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5人の若者を襲うレザー・フェイスのスラッシャー映画。『悪魔のいけにえ』を原案としている。
最初と最後でドキュメント風の記録映像を絡めるところなどで、リアリティある恐怖感を出している。
全体的な構成はよくあるスラッシャー映画だが、恐怖演出は優れている。また、この映画のいい点は犯人が家族ぐるみであるところ。一見普通に見える人々も異常なのがレザー・フェイスより恐い。おまけにレザー・フェイスは家族には絶対手を出さず、標的にだけ手を出しているところもただの異常な殺人鬼ではないと言う印象を与えている。
一番の恐怖演出は、ケンパーを捜しに家に強引に上がり込んできたエリンたちに車椅子の老人が激怒し、合図すると、突然チェーンソーを持ったレザー・フェイスが部屋の奥から現れ、エリンたちに襲いかかるところ。結構、度肝を抜かれた。その他では、家族の中で唯一まともな少年がエリンを助けるところなども印象に残った。
気になる点としては、レザー・フェイスはエリンに片腕を切断されたはずなのだが、最後の記録映像ではどうやって警官たちを殺せたのかはちょっと疑問点が残った。片腕でも凶器は振り回せるだろうが、エリンとの戦いでは結構深手を負ったし、警官突入までにどんなに治療したところで回復しているとは思えないのだが。リアリズムを重視した映画なら、最後までリアリティを追及して欲しかった。
それと、この映画で面白いと思ったのは、放心状態になってる娘を車に乗せたり、自殺した娘を律儀に警察に通報することを主張したりと、正義感のあるヒロインの選択が逆に事態を悪化させているという点。これが意図的なものだったら、この脚本家はなかなか優秀だと思う。
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