[コメント] 白い船(2002/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
離島に赴任した女教師ものかと思っていると、なんのドラマもない。地方記者との恋もはっきりしない。冒頭、海でなくなった父親の話も「孫を死なすんじゃない」のワンセリフだけ。子供たちのキャラも立っているワケじゃない。
ドラマは子供たちが白い船に乗れるか、 遭難した子供たちを救出できるか、 の2つあったが、いずれも腰砕け。
なぜタンカーに乗船するのに教育委員会に許可を求め、保護者会を開き協議までするかよくわからない。ただ沖を通りかかっただけで、総勢15名ほどをタンカーが招待するのかも不明。私も離島教員3年やっていたけど、よくわからない設定だった。これは事実だと言うから、ますますわからない。もう少し細かな葛藤や議論が合った気がする。
タンカー見たいために勝手に船を出して遭難した小学生。無事救助されてやれやれだが、誰もしからない。助かってよかったよかっただけで、きっちりけりをつけてやらないと、子供たちも混乱するのではないか。「船に乗せてあげたい」の新任女教師もそれだけかい、と思う。大人になって自分で稼いだ金で乗りなさい、とか思ってしまう。
白い船に対するあこがれをもっと丁寧に描いて欲しかった。事実に寄りかからずファンタジーで夢を膨らませて欲しい。たとえば子供たちの基地もワクワク感がほとんど感じられなかった。残念。
島根の自然描写は息を飲む美しさ。これがドラマとからんでいたら、と悔やまれる。NHK特集のノンフィクションだともっと見応えが合ったのではないだろうか。ぶちぶち文句を書いたけど、ちょっといい話なのは間違いない。こういうテーマを取り上げた点に感謝して☆3つ。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。