[コメント] 10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス(2002/英=独)
クレジットだけで贅沢さを味わえるプロデュースワークの勝利として産業レベルで評価したいGOODショートオムニバス
ウルリッヒ・フェルスベルクの指揮となる映画史的に頬を緩ませる幸せなコンピレーション・アルバムである。映画芸術家たちによる競作というコンセプトだけでイベントとしては大成功である。姉妹編『イデアの森』と併せて日本人作家がいないことが残念であるが、こうしたコンピレーションは量産されるべき映画遺産である。本作は類まれな創作意欲を持つ作家7人による10分の短編集であるが、どの作品もその作家の個性をいかんなく発揮した佳作ぞろいである。特筆すべきはジム・ジャームッシュの手による「女優のブレイクタイム」。10分という時空間の存在について考察を図る短編でなければ結晶しない傑作である。 女優に与えられた撮影中の休憩時間10分。トレーラーの中でしばしの休息を得るも、安息とは程遠い休憩時間10分。無常観を湛えて絶妙な映画空間を生み出している。映画愛に満ちたこうしたパッケージこそ至福の瞬間である。
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