[コメント] 嗤う伊右衛門(2003/日)
まあ話自体が面白いので、忠実になぞったということでこれはこれで良いのかもしれない。が、あくまで「古典」の斬新な解釈なので、もう少し絵的にも演出面でも、一貫した様式を意識しても良いのではないか、と思った。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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一見古典的な佇まいの中でこそ、この話のユニークな面が最も際立つような気がしたので。あとは「蚊帳」をはじめとした、象徴的な小道具の見せ方にもひと工夫欲しいような。正直なトコロ、映画よりも舞台で見てみたい。真実を聞かされて崩壊するお岩のクダリなんて、まさに「劇」的な仕掛けが欲しいトコロ。
役者に関しては概ね文句はなし。殊に話が進むにつれて役をモノにしていく印象を受けた椎名と、ほぼ原作の印象通りに演じた主役の唐沢が出色。ただ個人的には小雪はやや平凡だった。芯の強さは感じられても、独特なイノセンス(映画の中では「清らかさ」という表現だったかな)はイマイチ感じられない。お岩が世間から疎外されていったのは、外見の問題やただ気が強いという以上に、世間や社会というものに対してあまりに無防備だから。のはずが、イマイチその辺に説得力がないというか・・・・。
とか何とか難癖をつけているのは、自分自身が原作の呪縛から逃れられてないからかもしれない。でも物語や役者の魅力をとりあえず脇に置いて目を向けたとしても、そこまで特筆に価するものもないかと思われる。
(2004/07/31)
追記: 「うらめしや」の挿入があまりにこれ見よがし。愛憎愛憎説明せんでもわかる。
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