[コメント] 緋文字(1926/米)
リリアン・ギッシュの圧倒的な女優映画。しかしビクトル・シェーストレームの演出も矢張り『風』同様厳しくていい。ディゾルブ繋ぎの2カットの寄りが随所にあり情感もたっぷりだが、決して被写体におもねる演出ではない。またいくつかの忘れがたい倒錯的な画面を持つ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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特に前半、ギッシュが鳥かごの鳥を逃がし、跳ねまわっているのを村人に見られた後、罰として与えられる一種拷問のようなシーン、ギッシュが木枠のかせをはめられ、往来に放置されている画面の異様な官能性。或いは後半、告げ口をした女が罰で池につけられるシーンの残酷な笑い。そしてA(Adulteress−姦婦もしくはadulterer−姦夫)の緋文字の映画性。私はナサニエル・ホーソーンの原作も大好きだが、胸の緋文字の隠蔽と暴露の見せ方は映画ならではの興奮をそそる。傑作サイレント映画だ。
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