[コメント] 暗闇にベルが鳴る(1974/カナダ)
初期スプラッター映画と位置付けられるらしいが残酷シーンは今観るととても品がいい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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話の真ん中には中絶があり、この価値観の相克がアメリカ(商圏ということで)では重大なのだろう。今でも国論を二分しているのだから。赤ん坊を殺すなと叫びまくる恋人は、この映画の描写は神経症的に振れているが、行く処へ行けばむしろ正当と捉えられるのではないか。結局冤罪なんだし。ラストのオリヴィア・ハッセーは過剰防衛な訳だ。
彼女の中絶に関する無意識の怖れが、本作の恐怖の全部だったのではないだろうか。そのように映画は特に説明しない(パタパタ終わり過ぎじゃないのか)が、そう捉えると俄然面白くなるし、実際そう解すべきなのかもしれない。何度目かの殺人の最中に、彼女が少年聖歌隊の歌に聴き惚れている、という対照は、これを強調しているように思われる。お前に聖なる歌など聴く価値はない、という。
映像はホラーらしい抽象度があり面白く観れる。殺されやすそうな人が順番に殺されるのは段取りめいて退屈で、こういうジャンルの限界だろう。間抜けな警官が騒ぎを大きくする処は彼の造形含めて巧いと思った。
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