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[コメント] ファッティとキートンのコニー・アイランド(1917/米)

中途からはコニー・アイランド関係なしの暴力女装映画。スラップスティック俳優にとって必須の技能だったのだろう、転倒芸についてはロスコー・アーバックルアル・セント・ジョンバスター・キートンにひけを取らない。女装したアーバックルは無声映画的なメイキャップと相俟って真性の変態に見える。
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演出の水準で後年のキートン監督作に見られるカオティックなスピード感・ドライヴ感を求めるのは酷だとしても、またそもそもアーバックルの要領を押さえた演出ぶりは決して不味くないのだが、アーバックル-セント・ジョン-キートンの三つ巴を大々的にフィーチュアしてみせないのは脚本段階で対応可能な不備だろう。喜劇状況は「一対一」のヴァリエーションが加法的に積み重ねられるだけで、乗法的にエスカレートすることがない。

さて、キートン・ファンとしては是非ともここで彼の表情についても触れておきたいところだろう。このキートンは爆笑をはじめ様々の表情を披露してみせるのだが、この表情のつけ方にはどこかで見覚えがある。ジャッキー・チェンだ。ジャッキーがキートンから受け継いだのはスタント根性だけではないようだ。

(評価:★3)

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