[コメント] グッバイ、レーニン!(2003/独)
空を舞うレーニン!
レーニン!
レーニン!
観たこともないクライマックス
本当にレーニンが空を飛ぶ!
まあレーニンってったってレーニン像だけどさ。
のっけから大変おかしな紹介をしてしまったが、クレイジーな映画ではない。空駈けるレーニンはたしかにクライマックスではあるが。
時は1989年、舞台は東ドイツのベルリン。心優しい青年アレックスは、民主化要求デモに参加している姿を母親に見られてしまう。ガチガチの共産主義者の母はそれに仰天、心臓マヒを起こして八ヶ月も昏睡してしまった。
ところが母が昏睡しているあいだにベルリンの壁は壊れ、東ドイツ体制は事実上消滅、まようするに民主化するのである。目覚めた母にそんなことをおしえたら大ショックは必至、医者には「こんど大きなショックを与えたら命の保証はありません」なんていわれたアレックス君が出した結論が「東ドイツはつづいているフリをしよう」だった……。
ジャンルをあえていうならコメディなわけで、アレックス君と姉、友人、近所の人たち、みんなが母に一生懸命つく善意の嘘が笑える。でっちあげのテレビニュースまで作成する気合いの入れようだ。
母に「ピクルスが食べたい」と言われ、スーパーに買いに行ったものの、粗悪な東ドイツ製は速攻で姿を消しており、入手に四苦八苦するというエピソードは泣かせた。市場原理の厳しさよ。(このへんの話は事実だそうな)
爆笑シーンははっきりいってないのだが、じわじわくる笑いにみちている。しかも、笑わせつつもなんだかしんみりさせたりして、油断も隙もありゃしません。
母がガチの共産党員になった原因、主人公の不器用な恋愛などが語られていくうち、いよいよ空飛ぶレーニン登場!(どんな情況で登場するかはその目で確認してください) 字面だけ見るとこれ以上バカなシーンもないように思えるが否! じつに壮大な、ズンと胸にこたえるような光景が展開されるのである。空飛ぶレーニンにオレは泣いた! このシーンだけでどんぶり二杯はいけるよ!
この映画、ドイツでは記録的な大ヒットになったそうだ。 ドイツ統一を庶民の視点で描いた点が評価されたということもあろうが、ストーリーの巧みさ、あたたかさ、それこそがヒットの真の理由であったと、日本人の僕ですらわかる。はっきりいって、ドイツ統一の事情なんか一切知らなくても楽しめる。泣ける。観にいってよかった。
(評価:)
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