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[コメント] 春の惑い(2002/中国=香港=仏)

とても繊細。とくに主人公の心の描写が。映像もとても美しい。さすがリー・ピンビン撮影。
レモン汁

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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ストーリーのテンポ、台詞回しはとても繊細で余計なものがなく、 中国の美しい映像とマッチしている。 しかし残念なのは、人物像それぞれ、あと一歩、というところの深さがない。 三角関係は明確なのだが、それぞれのしがらみや思惑が単調と言うか、 突込みが甘いのだ。

主人公の男は病にかかっており、それを卑下して妻を正面から支えることが出来ずにいる。突然現れた昔なじみの友達が、妻のかつて愛した男と知って涙を流すも、 自ら死を選ぶことで妻の幸せを願う。 これでは表面的に美しすぎる。もっというと、卑屈でしかない男。 妻へ思いのたけをぶつける場面があっても良かったのではないか。

次に妻。昔愛した男が突然現れる。夫と不仲が続いているせいか、 男への未練が募ってか、夜な夜な男の部屋に通っては意味ありげに誘う。 夫が死を選ぼうとした時に改めて夫への思いが表面化して 元の鞘に納まるが、これではただの「欲求不満の主婦」にしか見えない。

最後に、突然現れた男。結局どうしたいのか見えない。そういう立場の役なんだろうけど、優柔不断にしか見えないのだ。

ようやく最後まで見れた、と言う感じだが、映画の最後からが、本当の夫婦の物語が始まるのだなぁ〜と思った。

(評価:★3)

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