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[コメント] 宣告(1990/伊)

主人公の態度の不明瞭が映画の態度の不明瞭となり、これは現実への皮肉なのかと考えを巡らすのに疲れる映画。2.9点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







誠実そうな判事が主人公。判事は実は死刑に対し強い反対の意志を持っており、人非人と非難されている犯人が惨劇を起こさなければならなかった理由を裁判の中で探し出そうとする……ようなのだが、その態度が見た目には煮え切らず、映画もひどく沈滞した経過を辿る。犯人像も動機も結局はついには全体像を見せず、なんとか死刑を回避させて懲役刑にしたものの犯人は高裁で死刑判決が下され処刑される。この不透明感、やるせなさこそが現実の裁判だ……と云いたいのか。

この主題が1937年のムッソリーニ=ファシズムを舞台にして1990年に製作される必然が、一日本人の門外漢には全く分からない。この事件が歴史上の事実であり、イタリア裁判史上重要転機になった……のかどうかも知らないのでイライラする。

(評価:★3)

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