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[コメント] ビッグ・フィッシュ(2003/米)

人生を良い意味でばっさり切り捨ててる・・・のかな?ファンタジーと現実の絶妙なバランスが凄く暖かい。 2004年5月17日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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って、俺みたいな高校生のガキが言えた事じゃないけど、良い意味で人生をばっさり切り捨てて「どーせこんなもんだろ?」と言っている気がする。予告だったかチラシだったかに書いてあったキャッチコピー「人生なんておとぎ話」とは当に直球ど真ん中のコピーでしたね。

見る前はティム・バートン監督作品って事しか知らなかったのでユアン・マクレガースティーブ・ブシェーミが出ている事すら知らなかったので、大いに楽しませて貰えた。

つーかホント、ティム・バートンの映画って『シザーハンズ』にしてもそうだったけど、どうして生活観の全く無い無機質な町並みをこうも自然に撮れるのかな。セットがいくら安っぽく見えようと、他の映画なら必ず違和感を感じているであろう事でも、何故か違和感無くすっと映画の世界に入り込める。

どこからがホラでどこからがマジなのか分らん話し好きの親父の姿はまさしくティム・バートンだろうし、この映画はティム・バートンの映画なんだな、て思えた。そりゃ「『フォレスト・ガンプ』か?」とか思ったりもしたけど、いいんだよ。うん。あれはあれ、これはこれ。俺はこの映画、根っからバートンの映画だと思うよ。どれだけ『フォレスト・ガンプ』と似ていようと。

初っ端の魚の話で泣きモードに入っていた涙腺の緩い俺なので、そりゃクライマックスなんて容赦なく涙が溢れてくる訳でして・・・あのオチって個人的にあんまり大したオチではないと思うんですよね。意外性って意味では。

でも、この物語の温かみに身を任せて鑑賞し続け、映画の世界に身をゆだねている限り、息子が親父の為に空想の物語を語り始める姿を見て涙しない訳にはいかなかった。ひたすらとめどなく涙が溢れる。今までの登場人物が全員集合しているのなんて、あまりにもベタベタすぎるが、それこそ当に最高のフィナーレだったんだね。

そして、一転して少し暗めの雰囲気の葬式。現実世界での全員集合。年老いて白髪になり、シャム双生児と思わせておいてただの双子だったり・・・でも、親父の話は全て本当だったんだね。うんうん。もう理屈も糞も良く分からず、ひたすら涙を流している俺が居た。

ただし、テンポが多少緩すぎた感じも多少ある。もう少し刈り込んで短く出来たのでは、とは思うけど、十分許容範囲だし、素晴らしいシーンがいくつもある。

そりゃ婚約者居るのにひたすら求婚し続ける主人公はただのバカやけど、コレはおとぎ話だから。現実、と言う土台に乗っているファンタジーだからいいんだよ。あー、俺も水仙の花に囲まれてプロポーズしたいなぁ・・・(アホ)

ひたすら良い話。ただただ良い話。ただし、俺の心のど真ん中をぐいぐいと刺激してくる非現実的な現実。ファンタジーにして、ファンタジーではない。

そうだよなぁ・・・そういえばガキの頃面白がってた話なんて今じゃ五月蝿いだけだもんなぁ・・・。そんな現実的なファンタジー(謎)心が温まる。涙腺が緩くなる。

ブシェーミがひたすら面白かった。劇場ではノリの良い外国人と俺と一緒に見に行った友人のみ笑ってた・・・なんでこうもノリが悪いのかなぁ・・・笑う所はしっかり笑おうよ。それが劇場で映画を見る楽しみってものじゃないか!

(評価:★4)

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