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[コメント] 下妻物語(2004/日)

深田恭子は正直ロリータファッションの時より、後半のヤンキーっぽい演技の方がかっこよくて様になっている。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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ロココ時代に魅せられ、自分だけの世界に閉じこもる、ロリータ・ファッション好きの少女と蓮っ葉だが、義理と人情に厚い不良少女の友情を描いたコメディ映画。

原作を意識したのか、映像も派手でストーリー展開もキャラ描写もマンガ的に仕上げている。ややこの作品をタイアップした企業名を露骨に映画の中に盛り込みすぎな感があるが、タイアップ企業を笑いの演出とうまく絡めていて、ギャグシーンはそこそこ笑える。またストーリーも主人公によるナレーション進行とドタバタギャグ中心の展開が多いのは気になるが、そんな中でも常に自分の世界に閉じこもり、人に対し感情的な行動を起こせなかった主人公の桃子がいちごと知り合ったことで徐々に感情に変化が現われ、初めていちごとの間に友情が芽生えるところが彼女の成長として丁寧に描かれているのは好感が持てる。

内容的には『キューティーハニー』のような女の子同士の友情劇に近いが、変に安っぽいチープな展開せずに観てて楽しい賑やかな作品に仕上げた点もよい。

役者に関してはいちご役の土屋アンナはヤンキーになる前となった後の演じわけがうまく、女ヤンキーとしての貫禄も感じられる。主人公の桃子役深田恭子は、正直ロリータファッションの時よりも終盤のヤンキーのふりをしている時の方がかっこよくて様になっている。

ひとつ気になったのは、桃子がロココ時代やロリータファッションに興味を抱いた理由が明確にされなかったところ。序盤の桃子の生い立ちを見る限りでは、両親への不安や不満などからの現実逃避として、のめり込んだのかなとも思えるが、桃子のナレーションの感じではそんな雰囲気は感じられないし・・・。ストーリー展開上はかなり重要な要素なだけに、どうしてロココ時代やロリータファッションに大きく魅せられたのかぐらいは丁寧に描いて欲しかった。

総評としては、自閉気味な少女の成長を描いた話としては、観てて楽しく、最後には感動も出来る作りで純粋に友情劇を見たい人にはお薦め出来る。

(評価:★4)

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