[コメント] 東京原発(2002/日)
とても面白い110分間でした。途中から黒澤明監督の『生きる』を思い起こさせました。
コミカルにおかしく、演者たちのつっこみとぼけで、見て、聞いて、それほど難しくなく錯覚させ、耳や目にどんどん入ってきます。
これは、まさにサイエンスプロデューサー”でんじろう”氏の科学(化学)実験を聞いているような2時間弱でした。
新聞や週刊誌の単語を並べるようですが、「日本の原子力事情や国の取り組み、エネルギー問題。日本の国民性、都市部と地域の温度差や関心度。環境問題、あるいは、コージェネレーションシステム、高速増殖炉「もんじゅ」。世界からの見た日本の問題。これらと各人(国民)が関わる直接且つ間接的な経済(の問題)。さらに、原子力施設の建築基準や耐震問題、テポドンまでにも、影響することなど。」
時折、「えっ嘘?ほんま!」や拍手したくなるような気分になりました。
エネルギーや環境に興味あるとか、無いとか関係なく。多くの日本人に見てもらいたい作品だと思います。
ちょっと気になったのは、この4年間で、法律やマナーが変わったことです。その為、いくつかのシーンに疑問も出てきます。しかし、それは私自身も時代への対応力が加速してきているのだと、納得させています。
この作品を9年後の2015年に見た人は、どんな感想をするだろうかと興味が、わいてきました。ここCSに書かれるのを楽しみにしている私がここに、いる。(という過去からのメッセージになるかな?)
たぶん私は、まだ生きている と思う。ちなみに9年後の2015年の未来は、映画『バックトゥザフューチャー2』の舞台です。
もし、現在の石原都知事が、東京都内に原子力発電所を作ると言い出したら、ちょっと違った角度で、私は応援したくなるだろう。
これは一石であり、この内容がどこまで嘘か本当かを確かめるのは、鑑賞後のあなたかも知れない。無関心すぎる人々に対して、決してプロパガンダ作品とも思えない。あるいは、教えなさすぎるのか?公開されていないのか?公開していても届かないのか?届ける気がないのか?
蛇足ながら、はからずも今後裁判員制度が実施されるであろう”ヒント”に、なるやも知れん。『十二人の怒れる男』も思い出した。
また、『ロード・オブ・ウォー』と『東京原発』は、一見、全く違う映画です。しかし、両方の作品を最後まで見て、いろいろ考えていると、なぜか似ていると思ったのは私だけでしょうか?
2006.7.10
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