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[コメント] サンタクロースの眼は青い(1966/仏)

50分の中編(映倫の規定によれば55分以上が長編と聞いたことがある)。ジャン=ピエール・レオの頼りなげなモノローグがいい。店から男2人が出てくるショット。レオと友人。
ゑぎ

 橋のところで写真を撮る中年の男性とすれ違う。レオたちが本屋で万引きをする場面など、無軌道な生活が綴られる。ジュークボックスの横で、ボクサーの彼氏を待つ女の子とレオ。ボクサーとのやりとりなど、ヒリヒリした感じもよく出ている。

 冒頭、橋で写真を撮っていた男性がカフェに来て、サンタクロースに扮するバイト話を持ちかける。レオはダッフルコートが欲しいのでバイトを受ける。サンタの格好をして、街頭で通行人に「サンタと一緒に写真に写りませんか」と声をかけるバイト。非日常性が声をかけやすくするし、女性でもかなりのスキンシップに皆嫌がらない。尻を撫でても。そうやって声をかけた女性との待ち合わせ。市民会館。建物の陰。キスするが、逃げられる。サンタの着ぐるみがないと魔法は効かない。

 大晦日の夜。レオと2人の友人(3人の男)が、人けのない通りを歩き、ホテルのレストランへ入る場面。カメラはゆっくりとレストランのガラスドアを撮る。こゝが抜群にいい。情感たっぷりの画面。欲しい(盗みたい)と思ってたシャツが、ウィンドウを割られて盗まれているという作劇。同じ言葉を連呼しながら通りを歩く3人の後ろ姿のロングショット。終盤に来て、ぐっと締まる演出だ。ユスターシュの才能がよく分かる。

(評価:★3)

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