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[コメント] ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎音頭(1988/日)

跳ねっ返りを続ける若手と、互いを思いやりながらも退っ引きならない状況に追い込まれていく幹部陣。これはまるでちょっとした任侠映画のようではないか! 違いといえば「ちゃんと出来てない」ってことくらいだ!
Myurakz

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 諸事情により清水浩二郎が出演しないという致命的なハンディを背負った今作。そりゃヒロシとトオルが揃って初めてビー・バップ・ハイスクールですから、この穴は如何ともしがたいというのが正直なところです。手だてとしては、デッカく空いた穴をどうやって上手く隠すか、それしかない。そしてその結果としての「敵将との友情物語」ってことなんだと思うのです。

 そもそも今までのシリーズではトオルとヒロシの扱いのバランスが不平等だったため、観る側の意識までがどうも中途半端になるという欠点がありました。敵大将との2対2の戦いになっても、映画自体がトオルの方ばかり向いているのが伝わってきちゃんです。

 ところが今作はそれがなかった。そしてその代わりとして北高のシンゴとの友情物語が充てられることとなり、これだとシンゴのクローズアップがそのままトオルのクローズアップに繋がるため、バランスが崩れることなく物語を綴っていけるようになるのです。

 しかも敵の下っ端を最悪役に据えることで、抗争の焦点を複数持たせることに成功している。要は「男たちの物語」として、何だか話に厚みが出てきているわけなのです。それは東映の任侠映画のようであり、また実録ヤクザ映画のようでもある、何とも香ばしい男の物語なのです。「郷ミノル 検挙」なんて字幕を出す辺り、きっと『仁義なき戦い』をやりたかったんだろうなぁ。

 その他菊永の丸坊主を巡るやりとりや、前作の悪役である柴田と西が味方に付く件など、ちょっと見所となるようなシーンはポツポツ見受けられました。

 まぁだからと言って監督・脚本の那須夫妻の実力が上がったというわけではないので、相変わらず展開は無理矢理で音楽センスも最低でしたけどね。。特に最後の乱闘中に突然起きる地震。ありゃ何だ。脚本書いてる最中に実際に地震でもあったんでしょうか。全く意図がわかりません。

(評価:★3)

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