[コメント] 若さま侍捕物帳 黒い椿(1961/日)
最後まで本格的な犯人当てにこだわったプロットが大変に素晴らしい出来栄え｡閉鎖的な島の因習と何やら訳ありの住民達を丹念に描く前半を耐えれば、「第一の殺人」以降は急展開に次ぐ急展開で息をつく暇もないほど｡
「若さま侍捕物帖」シリーズは通常、事件が起こった場所に若さま（橋蔵）が訪れて無事解決するという展開である｡また、事件の舞台も江戸であることが多い｡ところが本作においては、若さまがたまたま訪れた伊豆大島で事件が発生するという展開｡この紀行ミステリーによくある展開にしたことは大成功ではないだろうか｡ 田中春男、山形勲、千秋実といった沢島映画の常連俳優が、今回もいい味を出している｡
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