クリスティやポーの推理小説に慣れ親しんだ母（私）としては、『名探偵コナン』の詰めの甘さにはいつも辟易しながらＴＶシリーズを観ているのだが。

だが、それは仕方ない。所詮は子供騙しの推理漫画、たかが３０分のＴＶ番組にムキになってツッコミを入れまくるのも大人気ないし。

ＴＶシリーズはともかく、劇場映画となると話は別だ。この作品は、とてもじゃないけど劇場公開版とは思えないほど出来が悪い。

私事で恐縮だが、ウチの息子はパイロットを目指している。

その夢のため「勉強は大切なんだぞ〜」という以上に、「パイロットは大勢のお客さんの命を預かってるんだから、視力が大切なんだよ」と、日々のＴＶゲームの時間を規制する毎日。それなのに、嗚呼それなのに・・・。

今作では、ガキや女子高生が平気で飛行機操縦してるんだから全くもう。しかも、コナン君ってメガネかけてるってことは、裸眼視力はどうなのさ？オカーサンはもとより、本物のパイロットさんの立場は！？どれだけ苦労してパイロットの免許取得したと思ってるんだ（←って申し訳ない、私もどうやって免許取得するかは知らないが）。

そうやってツッコミを入れていくと、出るわ出るわ。コナン君ってば飛行機のドア開け放したまま無線電話で喋ってたけど、観客全員飛んでくっつーねん！怪盗一人にあんな何十台もパトカーが追っかけて、挙句に滑走路の照明としてズラーッと並ぶなんてあり得ないっつーねん！って、そんなこと言い出したら、そもそも変声からあり得ないんだけど。

そんな文句を言い続ける私を、息子は悲しそうな顔をして眺めていた。でも、飛行機って子供は操縦できないから。パイロットになるのは本当に大変なんだから。それだけは譲れないから。