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[コメント] 処女の生血(1974/米=仏=伊)

ポランスキーの『吸血鬼』とはまた全然違うベクトルのユニークさ。
太陽と戦慄

今にも死にそうなドラキュラ伯爵が、処女の生血を吸えば生き返るので、処女探しを頑張るお話。結婚を餌にしつつ若い四姉妹に近付くが、末っ子以外全員ヤリマンで、非処女の血を吸うと気持ち悪くなって嘔吐してしまう潔癖体質のドラキュラは毎回ひどい目に遭う。

演出自体はコメディタッチというわけでもないのだが、格好悪すぎる吸血鬼の描き方にじわじわとした笑いが込み上げてくる。ポランスキーが撮ったドタバタ調の「吸血鬼」も楽しかったけれど、それとはまた全然違うベクトルのユニークさ。いちいち非処女かどうかしつこく詰問してから襲うドラキュラはマヌケすぎで最高だ。

なんか、フリーセックスの台頭で古い価値観が淘汰されていく様を、ドラキュラ映画に当てはめて描いたというふうにも取れて、バカバカしいんだが意外と奥深い映画なんじゃないかとも思えた。まあ、単なる悪フザケかもしれないが。

四姉妹の父親を演じてるのがヴィットリオ・デ・シーカというのも何気に凄い。

(評価:★4)

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