[コメント] 今宵よ永遠に(1945/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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この映画は、ミュージカルの教科書にしている『ハリウッド・ミュージカル映画のすべて』スタンリー・グリーン[著]村林典子[訳]岡部迪子[監修](音楽之友社刊)にも出ていないの。なんでかな。
この映画たぶんフランソワ・トリュフォー観てるやろね。パリのシネマテークの最前列で。なんでか言うたら『終電車』とテーマが似とるの。『終電車』はナチに占領されたパリで劇場を続ける人達の話でしょう。この映画は、ロンドン空襲の中でも「ミュージカル」を続けた人達のストーリーだもんな。
ロンドンの劇場。トミーマーク・プラットという一見冴えない機織り工場で働いている青年が訪ねてくる。「ふだんのあんたの十八番は?」「機織りのリズムで踊ってるんです」
でラジオかけるんやね。色んな曲が流れてくるなぁ。クラシック、ジャズ、ヒトラーの演説…。「チャンネルそのままにしておいてください」なんとこの青年ヒトラーの演説で踊りだしたよ。驚いたなぁ。
演出家トリバーフローレンス・ベイツなやんだね。「あんたは劇場向きのダンサー違う」言って断ろうとするの。一部始終見てた踊り子ロザリンドリタ・ヘイワースと歌手ジュディージャネット・ブレア青年に何か光るもの感じたんだね。「使ってあげましょうよ」
それで青年は劇場に雇われるの。この映画のDVD、歌の部分だけ英語字幕が消えるね。これからたくさん歌の名前出てくるけど僕の判断で付けた曲名だからね。殆ど合っとる思うよ。サビで繰り返される文句がタイトルの場合が多いでしょ。
でもガッカリだなぁ。ミュージカルの歌詞の英語字幕が出ないなんて。訴えてやる!なんてね。
最初のナンバーはリタ・ヘイワースが情熱的に歌って踊る“YOU EXCITE ME”これを見て空軍将校ポールリー・ボウマンが夢中になってしまうんだなぁ。「あたしでいいの?」みたいな挑発的な歌で「おれのことだ」と思ったのかも知れんね。
リタ・ヘイワースだけアメリカ出身いう設定なんよ。この軍人さん「俺もアメリカ人なんだ」いうて最初に騙すの。手段を選ばん人やね。アパートへ行ってイギリス人いう事バレるんやね。
歌手の役でジャネット・ブレアが出とるの。リタ・ヘイワース歌は吹替えやからね。この映画でも殆ど歌はジャネット・ブレアに任せてるんやね。二人で軍人の格好して恋人を故郷に残してきたいう“THE BOY I LEFT BEHIND”歌良かったなぁ。戦時色の濃い歌やね。
良かった場面まだあんの。舞台にニュース映画を写すとこね。パテのニワトリの模型が写って、映画ニュースのパラマウントです、とかいうの。映画の中に出てくるのは、軍服を着た劇団員達。ジャネット・ブレアが「出てきなさいよ」と声かけるとスクリーンの裏からシンクロして出てくるの。なかなか映画的だったなぁ。
本当に劇場へ行ってるみたいで楽しいの。「偉大なるウォルド」THE GREAT WALDO いう木琴の出し物があって、出演者IMDbで調べたらプロフェッサー・ランベルティというオッサンでした。この人の芸は一見に値するよ。木琴の伴奏でリタ・ヘイワースが悩ましげに“ANYWHERE”を踊るんだなぁ。
これ以上あらすじ書いても疲れるから止めとくけど、ミュージカル映画って恥ずかしいけど涙が出やすいね。だから親とかと絶対一緒に見れないね。『オズの魔法使い』とかダメやね。少しだけ泣いてしまいました。それにしてもこの映画ラストが救われんなぁ。
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