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[コメント] ノーライフキング(1989/日)

「ネオクン ソトヘ デテミテ クダサイ。 リアル デスカ?」この映画、最初はベタベタに世紀末臭がすると思ったが、時代が変わってもペシミズムがオプティミズムに変わっただけで作品は継承されるのであった。もちろん、『マトリックス』としてである。
水那岐

呪いのゲーム、呪いのフィギュアなどといった陰気な噂が引き起こす悲観主義の不安は、ただ世紀末(そもそもクリスチャン以外には関係ない筈なのだが)が産み出したものだとばかり思い、画面を眺めながらどうしようもない胡散臭さと古さを感じていた。

だが、主人公が些細なことから、ゲーム内世界の呪いから子供たちを救う救世主に祭り上げられるあたりで目が覚めた。

なんだ。こんなことは今でも続いているじゃあないか。しかも娯楽として、自らが創り上げたメシアを応援する行為そのものをゲームとして。それが「マトリックス」だ。自分はそういうゲームに参加するには歳がいきすぎているのでパート1で降りてしまったのだが、ネオ君はこの映画の主人公のように土砂降りの雨の冷たさを感じず、まだ暴れまくっているようである。それはいいことでも悪いことでもない。せいぜい感じたのは、救世主も年月が流れると一山いくらの安さになってしまったなあ、という事だけだった。それでは最後に、「がんばれ、ネオ君」。

(評価:★3)

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