[コメント] くもとちゅうりっぷ(1943/日)
主要なキャラクターはクモとテントウムシ。タイトルが「くもとてんとうむし」でないのは、ちょっと捻っていてお洒落に思う。冒頭はテントウムシとクモが唄う場面。これもミュージカル映画だ。
クモが巣に作ったハンモックにテントウムシを誘う。クモは黒い顔。カンカン帽に白いマフラーをしており、パイプをくゆらせる。ちゃんと8本足に描かれている。対して、テントウムシは女の子。より擬人化されていて、6本足ではない(人と同じ手足)。
背景となる野原、その植物の描写もいい。クモは、糸につかまって降下して来るが、テントウムシはチューリップの花の中に入り、かくまってもらう。クモは糸を出しては花に巻き付け、マフラーと同じ白い布みたいになる。花が開くと鈴がなるしかけを作って巣に戻る。そのうち風が吹きだす。巣(網)が揺れる。雨。嵐に。クモは網を守ろうとするが、ハンモックが飛ぶ。小枝にぶつかって、クモも飛ばされる。こゝで、クモが糸の投げ縄を使うのは面白い。この後の展開は割愛するが、プロットには戦時臭やプロパガンダ臭は全くない清らかなファンタジーだ。ただし私は、クモの意匠はアフリカ系アメリカ人を想起する。
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