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[コメント] ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(2004/米)

前二作に比べてだいぶよくなった。映画館で観た前二作よりもDVDで観た本作の方がはるかに時間を感じず、そのおかげで映像もじっくり堪能できたという・・・
JKF

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







個人的に前二作はダメダメだった。本筋以外のどうでもいいエピソードまで中途半端に詰め込んでるせいで途中でダレて本筋もどうでもよくなり、何一つ面白くなかった。詰め込みすぎてゴチャゴチャしてる上に肝心なところは説明不足でご都合主義だから、感情移入が全然できないわけ。要するに中途半端はやめろ、説明不足はやめろ、やるなら徹底的にやれ、ってことなんです。そういう意味でも『ロード・オブ・ザ・リング』において、本筋と関係ないエピソードを自分の趣味をたっぷり盛り込んで見せてくれ、若干説明不足はあったにせよ徹底的にとことんやり尽くしたピーター・ジャクソンは偉大だった。俺が「賢者の石」「秘密の部屋」を観たのはハリーと同世代の中1〜2のころで、その年代の子供にそう思われたのだから、やっぱり前二作は商業的に成功しようと世界中の子供たちにとって良くも悪くも人畜無害の映画だったんだろう。

で、本作。まあ、ほんとに小さい子供たちは二時間だろうと飽きちゃうわけだから、本筋となるストーリーにガンガン時間を割いたらたぶん鼻くそをほじりだす。笑わせるところは笑わせ、伏線を適度にちりばめながら切るところはバッサリ切る。そういうエピソードの取捨選択はまあまあよくできていたと思う。割と前半に集中させていたしね。無駄な部分がないからご都合主義であろうと先生が役立たずであろうと今までよりハリーに感情移入できたのは事実である。

ただ、多くの方が指摘するとおり親世代の物語は原作に忠実にしっかり描くべきだった。俺は監督は複雑な大人の人間関係を描くことによって子供が楽しめなくなることを考慮したのだと解釈するが、次回作『炎のゴブレット』のことを考えたらあそこを描かなければ結構大変だと思う。『炎のゴブレット』は今までの三作より大きく話が動く物語であり、展開は無駄にグダグダしてる上に結構ドロドロである。確かに「アズカバンの囚人」は今までよりはダークだった。でも先を見通した時に、ドラマも映像ももう少し暗さを出したほうが次回作への期待と含み、心の準備ができたんじゃないかと思う。クオリティの増した画面の構図で楽しめるところは前よりあったが、ディメンターは全然怖くない。あれじゃ空飛ぶ爬虫類だ。シリウス・ブラックが襲われたときは数だけはいるのにホント迫力ないの。

思うに、人畜無害なファミリー映画ってのは数え切れないほどある。人気があり、知名度があるからこそ俺はあえて楽しいけど暗い、面白いけど怖い、そんなトラウマになるくらいすごい映画を作ってほしい、心からそう思う。

(評価:★3)

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