[コメント] 石川五ヱ衛門の法事(1930/日)
ゲバゲバやドリフのコントが寅次郎に決定的な影響を受けているのがよく判るうえ、本作は頭抜けて面白い。渡辺篤VS坂本武の豪華対決に横尾泥海男が乱入し青木富夫が〆る様は圧巻、収束はノンセンスを通り越して教訓的ですらある。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「せっかく死んでいるから、これから化けてでよう」という物語の動機からしてもの凄い。バスの窓にヘバリついて事故に至るショットは激しく、『路上の霊魂』もこんなショットがあったように思うが、一瞬の恐怖描写に係る当時の技術はやたら高い。ドイツ表現主義を経由しているからなんだろうか。
石川五右衛門が出てきて339回忌をしてくれと来る。自分で自分の墓穴掘るのも「成仏するから娘をよこせ」ってのも凄い。先祖に守られているなどと思っている日本人は現在ほとんどいないだろう。当時はいたのだろうか。そんなことを考えさせられる。
釜から出てくる女香取千代子がドレスアップしている学芸会風な自己主張も素晴らしい。本作も第一巻終わり、第二巻始まりと字幕が入る。
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