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[コメント] 結婚式・結婚式(1963/日)

戦前親爺伊志井寛の新世代との衝突と理解の物語だが、私には重心が戦前にかかりすぎてバランスが悪いように見える。「多数決は民主主義の弊害の最たるものだ。国会を見なさい」。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







屑屋から鉄工所起こした社長の伊志井の派手な保守振りは戯画的だが、妻の田中絹代との京都旅行での喧嘩などは不快になる。この手の不快さは昔のホームドラマでも数多く感じさせられたものだ。幼児退行したお爺さんなど眺めて何が愉しいのか私にはよく判らない。

この戯画は診療所の貧乏医者の田村高廣と駆け落ちした娘の岡田茉莉子と対照され、勘当と和解の物語になる。こちらの按配は、神妙な岡田の忍従が当時の話としてリアルなところがあるんだろうと思わされた。榊ひろみの国際結婚は駆け足に過ぎるが「全員が国際結婚すれば水爆がいらなくなる」という科白が印象に残った。

佐田啓二は北海道から遅刻して戻って格好良く場面を持って行き、それが本作の結論になっちゃっているが、彼をもう少しジレンマに放り込んでもいいのではないかと思った。あと、入歯ネタは引っ張り過ぎだ。

(評価:★3)

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