[コメント] 自由な女神たち(1987/日)
整形や狂気など刺戟的な主題扱って筒井康隆の断筆宣言などの時代背景が想起される。こういうブラックユーモアは当時持て囃されたものだったが今や胸焼けがする類。彼等の言論の自由を隠れ蓑にするスタンスはネトウヨのヘイトスピーチに至ったのだろう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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久世光彦もこの一派だったのだろうか。貧乏話はバブル期には趣味的なものに見えるが、好景気だからこそ美醜だけはどうしようもないという不条理は判る。松坂慶子は整形前の片桐はいりと二重写しになる。
整形崩れて被害者同盟の面々が行列する光景は陰惨だ。白づくめで陰惨が強調されている。整形する方も非があるという儒教道徳が桃井かおりの科白から窺われる。しかしそれなら、松坂は最後は片桐に戻らないと面白くなかった。神社の鈴紐にぶら下がる狂気の加藤治子がまた極端。
それぞれ独特の話法で対話する笠智衆と桃井の件は面白いし、松坂と桃井の歌謡ショウは愉しく撮れている。こういう処はいいんだけど。松坂の安アパートに飾られた旭日旗は、久世の何かの宣言なんだろう。
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