[コメント] 華氏911(2004/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
この映画を見終わって様々なことを考えさせてくれた。 ビジネスと政治があそこまで絡んでいる今、それを解くの並大抵の努力(あえてこの言葉を使います)では無理であろう。 それは現在の日本にも言えることで、アメリカの現状と日本を比較して考えることもできる。
ただ安易なブッシュ批判に終わってないのはいいのだが、ゴアだとしてもケリーだとしても戦争は引き起こされていたと思う。なざなら戦争(戦闘)は相手ありきだから。それを率先してやるか、嫌々やるかの違いは当然あるだろうが。
そして最も重要なことはこれが「映画」という媒体を使っている点である。 「映画」はテレビとは異なり、世間への影響はきわめて高い。それは多チャンネル化されて以来より強くなってきている。 つまりムーアは世間に対し、この映画の中のメッセージをより多くの人々(そして国々)に伝えたいがために「映画」という媒体を使ったのだろう、と推測する。 しかし中身は当然それ相応の知識がなければ理解は難しく、アニメを見るような気持ちで見ることはできない。 ムーアが最も訴えるべき相手は、知識層もしくは一般層ではなく、貧民層であるのはこの映画からびしびし伝わってくる。にもかかわらずこの映画は知識のない貧民層などを拒絶した感がある。それでは意味がないのではないか。
彼の制作方法に文句を付ける気はまったくないが、彼の作品は見る人を(意図せず)選んでいる。アメリカを支えている貧民層(戦士)がこの映画から離れた位置にいるのは皮肉である。
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