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[コメント] わらの犬(1971/米)

バイオレンス版ホームアローン
氷野晴郎

題材はよいのだが脚本というか、各人の行動原理すなわち動機付けが希薄だったのではないのか!?

<死ぬまでに観たい映画1001本>の著書にも紹介されているし、このタイトルの噂を何度も

聞いていたので気になって手にしてみた。しかしイマイチであった。

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そもそも妻の態度は曖昧だ。彼女は受け入れたいのか拒否りたいのか?

どう見てもチャラチャラとだらけてるにしか見えない青年達。

もっと早くクビにすべきだろう。

また、主人公が赤の他人のボンクラを必死になってかくまう理由も分からない。

飲んだくれ中年のために家を破壊し鉄砲をぶっ放してまで取り返そうとする青年達の理由も分からない。

一体彼らをそこまで必死に駆り出させる理由はなんなのだ?

人物像の描き方、人物相関が具体的に語られて無いのでさっぱりだ。

ゆえに、視聴者であるこちらとしても感情移入しづらくどういう反応を示すべきかわからない。

そもそも常識的に考えて、どうみても不法侵入および器物破損罪だ。捕まるのは目に見えてる。

(周りに誰もいなかったのだろうけど)

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鮮血の美学』のような復讐譚かと期待していたが結果的に外れだった。

要するに行動原理の描き方が不足している。

例えば主人公をガンダムのアムロ少年くらいに内向的にすべしだし、青年達が飲んだ中年に忠誠を

誓うに足る過去などを表現していれば、またもう少しいい作品に仕上がったのに。

つくづく残念だ。まことに惜しい作品である。

(評価:★3)

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