[コメント] 風音(2004/日)
沖縄の風習を描いて深みなく余所行きな印象。でも『沖縄列島』 (69)以来の拘りを持ち続けたのは偉いと思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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流れ着いた特攻兵の遺体を、そのような作法なのか、岩陰の風葬場で仰向けに寝かせ、素っ裸にして手を組み合わしている(DV男の光石研の方は土葬)。夜中に万年筆取りに行ったら遺体が沢山のヤドカリに埋もれていた描写がいい。特攻兵の物語に最初から蝶々を配置し、蟹も再々登場し、この密やかなタッチが良かった。だから最後に、蝶々を乱舞させるのは蛇足で面白くなかった。
中年になったつみきみほはヤンキー系。DV光石刺し殺して逃げる展開は何だったのだろうかよく判らなかった。特攻隊と何か重なるものを示したかったのだろうか。加藤治子の彼氏の特攻隊員の遺品である万年筆を隠し持つ上間宗男が、つみきが刺したナイフを風葬場に埋めるのだが、これもよく判らない。イジワルせずに加藤に万年筆渡せばいいのに、なぜそうしないのか。文学的な含羞ってやつなのか。
『橋のない川』を継続するアグレッシブな音楽が格好いい。ジプシー音楽とのこと。キャスト表記がないが録音素材をそのまま使ったのだろうか。沖縄の出演者は、子供は上手いが大人はブレッソン好み。この土地は沖縄本島なのか違うのか、何の説明もないのは不親切。加藤の娘時代の加藤未央がいい。特攻兵に手紙を明日読んでくれと云われて、時計が0時を回ってすぐに読む件がとても好きだ。
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