[コメント] マインド・ゲーム(2004/日)
雑然とした街並みや水の中が舞台のくせに、なぜか鑑賞後に嗅覚を刺激したのは生い茂る夏草の匂い。その陽の光を全身で浴びて立ち昇る、たっぷり水気を含んだ蒼い匂いを、おもいっきり深呼吸してやや咳込む。
何といっても関西弁であることがキモなのでは、と思う。この映画のリズムを作っているのは、画や音楽である以上に、饒舌なまでの言葉の畳み掛けではないだろうか。そしてこの言葉を、例えば全て関東圏内の言葉に変換したとして。果たしてその饒舌な話しっぷりを、ここまで観客に「聴かせる」ことができただろうか。
話の内容自体は・・・何だか10代末期をピークとした自分の脳内思考(の一部)を、あらためて開陳されたような気がして、もう恥ずかしいというかムズ痒いというか。多分コレは超個人的な感覚ですね・・・ゴメンナサイ。でも一方で、それは決して後味の悪くないノスタルジーであったりもする(多分)。今よりもずっと何かを「信じる」ことに容易に一所懸命になれた自分に、今ではその眩しさに思わず目を細めてしまうけど、瞼の裏に残るその残像までは消したいとは思わない、みたいな。[3.5点]
(2005/04/10)
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