[コメント] マインド・ゲーム(2004/日)
疾走についてまわる背徳。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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あらかじめ定められた収縮していく運命に逆らい、どこまでも逃げ、どこまでも疾走していくというテーマには普遍性を備えた魅力があると思う。このテーマに絞った本作は、そうした意味で非常にすがすがしかった。
しかし古くさい考え方と思われてしまうかもしれないが、このようなテーマは行動や決断に対する背徳的なものがその背後に控えていないと、どこかスリリングさ(もう後戻りはできない袋小路の感覚)に欠ける部分がある。(『奇跡の海』とか『汚れた血』を想起されたい。)確かにあのサッカー好きのやくざの気まぐれさ加減と粘着質ぶりは怖かったが、その後のルパン三世もどきのカーチェイス程度では、主人公たちの背徳性が浮かびあがってこないので、どこかあっけらかんとしたぬるいものに仕上がっている。こうした視点で見ると、本作よりも父親への背徳(papa don't preach)を下敷きにした『ラン・ローラ・ラン』のほうがむしろ真に迫っていたような気さえする。
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