[コメント] フォー・ルームス(1995/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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一晩のホテルの出来事を、巻き込まれる主人公だけを共通にして、後は好き放題作ったと言う印象のオムニバス作品。それぞれがそれなりに面白いが、コメディにしては表現的にきついのも多いし、果たしてこれは本当にコメディなのか?と言う訳の分からない作品もあり。全般的に見る限り、スクリューボール・コメディの出来損ないといった感じが強い作品群だったが、一つ一つの作品のアクの強さとほどよい短さのおかげで飽きることはない。
ただ、やっぱり“流石”と言える出来に仕上がったのは、当然というか、ロドリゲスとタランティーノによる2本だけで、この2本で話を引っ張ったって感じ(登場人物の豪華さもあるんだけど)。複数監督によるオムニバス形式の作品というのは、実力の差というのがはっきりわかってしまうために、一種の残酷なやり方のようにも思えてしまう。
ロドリゲス監督による3話目は、明らかに後の『スパイ・キッズ』(2001)につながる傾向の物語で、これを拡大して派手にすると、ああなるんだろう。と思わされる(私が『スパイ・キッズ』気に入ってるから、点数が甘いのかもしれないけど)。ロドリゲス監督は本当に子供(それに振り回される大人)の使い方がうまい。
一方、タランティーノはやはりタランティーノ。センスよくパクリを使ってる(ライターを10回連続で着火できるかどうかに小指を賭けるのは『ヒッチコック劇場』からで、マックィーンが演じていた)。そこに長回し撮影を効果的に用い、その実力をまざまざと見せつけたといった感じに仕上がっていた。
そういう意味で、にやにや笑って観られる作品に仕上がっているので、点数はそこそこでも、結構おもしろい作品として観られた。
『スパイ・キッズ』好きな人にはおすすめ。
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