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[コメント] ゴジラ(1954/日)

どのような最新の技術と名優の熱演をもってしても、国内リメイク版では絶対に超えられない。時代が生んだ迫力に技術が勝利することは不可能だ。
Bunge

当時やれることをやりきったと言い難い面もある。

水中に存在する生物を死滅させる能力を有する新兵器が登場する。それを使用するか否かの選択に苦悩する芹沢博士の気持ちに説得力を感じない。水槽の中で泳ぐ魚が溶ける様子を通してこの新兵器の恐ろしさが描かれる。しかし海に人間は住んでいない。核兵器のほうが恐ろしいとしか思えないし、731部隊が生んだガス兵器のほうが脅威の兵器であると感じた。あれだけの非常事態なのだから、余程の理由がなければ使用を承諾するのが当然だ。戦後間も無い頃なので、もう争いは嫌だ、新兵器なんてとんでもない。と反射的に思う気持ちは理解できる。しかし使用を拒む心理の流れをいささか省略しているきらいがある。専門的知識を交えた意見といったものが無いのだ。

カップルが登場するのだが、こちらについても凡庸。

それでもこの作品は名作だ。映像から伝わる禍々しい観念的イメージを現代の日本人が発想することは出来ないだろう。真の復活は並大抵の努力では実現しない。紛争を経験してひと段落した国、ボスニア・ヘルツェゴビナなどがリメイクしたほうが余程良い作品になるのではないだろうか。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)がちお[*]

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