[コメント] いかレスラー(2004/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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基本コンセプトは明らかに『えびボクサー』の二匹目のドジョウじゃないですか。といっても「えびボクサー」自体評判がいいわけじゃないので、そこにドジョウがいるのかどうかも怪しいんですけど。ていうかエビなのかドジョウなのかもよく判らないんですけど。
ただそれだけだと映画を売るにはちょっと弱いと。もう一つコンセプトに何か絡ませたいと。そうなること自体は全く不自然ではないのですが、何故にそこで出てきたのが西村修なんだ。ハッキリ言えば、プロレスファンの中でも西村ファンなんてちょっとマニアな層ですよ。そんな西村の過去(現実での癌の克服)をフィーチャーするっていうのは、映画のテコ入れとして意味があるのかと。だってそれで拾われる層って、「えびボクサー好きで西村修ファン」ですからね。日本に何人いるんだそんな奴。少なくとも僕は違います。
そんな意味の判らないターゲットに加え、画面作り、演技、脚本、どれもこれも素晴らしくヒドいです。カメオ出演の船越英一郎が一番演技が上手く見えるくらいですからね。石田香奈なんてアダルトビデオの要らない小芝居シーンにしか見えない。
ただねぇ、そのダメさ加減がラストの「俺はお前たちの実の父親だ!」で軽く爆発したんですよね、僕の中で。「おぉ、そこまでやるならちょっと許す」みたいな感じ。
それにプロレスファンって、「プロレスをもう一度国民的スポーツに!」みたいなこと言われると弱いんです。しかも西村への愛はそれなりに感じられたし、「JJジャックスの変な髪型の方」ことノガちゃん(AKIRA=フリーのプロレスラー)の報われなさも、現実に妙にリンクしていて泣けたし。
ということで、本当は2点なんだけど諸般の事情で3点にしておきます。プロレスファンは自分に甘く人にも甘いのです。それが無我の境地なのです。
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