[コメント] バレエ・カンパニー(2003/米=独)
バレエそのものの魅力は絵的に伝わる。だがそれにかける人間たちの群像は案外平凡だ。
始まりがあって終りがある、という形の物語ではなく、様々なエピソードを連ねながら、人物やその関係を浮かび上がらせる群像劇。合間に挟まれるバレエそのものや、音楽、シーケンスの長短ないし強弱によって、一つのまとまりになっているというスタイルの作品。こういうものは年季の入ったベテランでないとなかなかものに出来ないと思うが、そこはさすがにロバート・アルトマンである。
最後に来る「青い蛇」というバレエ劇が形式上のクライマックスなのだと思うが、私はこれが一番退屈に感じた(リハーサル中の方がまだ良かった)。一応のヒロイン、ライ(ネーヴ・キャンベル )がケガをして退場するというアクセントの着け方(結末の代わり)も、わざとらしいと思った。
要するに、物語の重責にそっぽを向いているようでありながら、結局は物語という構造に頼らざるを得ないこと。だったら初めからそんなフリしなければいいのに、と。私の結論はいつも同じで、やっぱ物語重要じゃん、というもの。
75/100(07/12/23見)
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