英語の題名ではResident Evilというが、この題名もけっこう上手だと思う。

前作では、どうやってTーウィルスの感染が拡大したのかとか、アリス自身は一体何者なのかとか、いくつかの「謎」が作品を通じて徐々に解き明かされるという感じで、しかも、敵であるゾンビどもが強く、味方は確実に減っていくので、緊張感があってよかった。

本作では、ゾンビが脇役になっていることや、アリスが強くなってしまっていることなどから、若干怖さが薄れてしまっている。今回の舞台が、ハイブという閉鎖空間ではないことも影響しているかもしれない。また、脱出までの時間制限はあるものの、あんまり時間的焦りを感じさせるようなシーンがないので、そういう緊張感もなかったし、（すぐに分かってしまうものを除くと）あまり大きな「謎」がないため、「どうなんだろう」というワクワク感もあまりない。

ただ、逆に、アクションなどは前作と比べてもより過激かつ面白くなっているし、ジルという「原作」における主人公が出ているなど、色々と面白い点もある。某キャラも「原作」から出てきているらしいので、オリジナルをやったことがある人には原作との比較という楽しみ方もあるのだろう。

「ゲームを元にしている」という時点で、そもそもあまり期待していなかったせいか、意外にこのシリーズは面白いと感じてしまう。

終わり方を見れば、次回作を作る気は満々なようなので、アンブレラ・コーポレーションが一体何をたくらんでいるのか、楽しみに待ちたい。

ただ、次回作ではそうしたアンブレラの「謎」の深堀や話のスケール拡大と共に、ゾンビの復権にも期待したい。これは単に彼らがバイオ・ハザードの代名詞であるからだけではなく、「噛まれたモノはゾンビになってしまう。たとえそれが友人であっても」ということの怖さは、やはりゲームよりも映画の方が感情移入しやすく、楽しい（！？）からだ。