[コメント] フリーク・オルランド(1981/独)
「奇跡はただ一度だけ起こった、それは私の生きた時代ではなく、私が知りうる誰の時代でもなかった」
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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陳腐な分析だが、もしフリーク達がオルランドの変化する身体の中途段階なら、唯一の奇跡とは連中がワンシーンに同居している事であろう。この想像は、絶妙な部分が修正された半陰陽の出現により確信に変わった。そして、彼/彼女達はトロッコにのって対角線方向に流されてゆく映画の記憶の契機そのものであった。
陳腐さを大仰な身ぶりで隠すべきでは無い。隠すべきモノなど何処にも無いのだから。映画に奇跡など何一つ無いことを、映画はその本性上陳腐なものでしかないことを、華麗さのかけらも無い制限された構図でみせつけた本作は、しかし、性差をあらぬ明後日の方向に引き延ばした、即ち映画化した、奇跡的な映画と云ってしまう事もまた陳腐であろうか。
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