[コメント] フリーク・オルランド(1981/独)
帽子の人は、女性の左胸を吸ったのだろう。ミルクの木、ということか。フリークシティの電飾の門。山の向こうに基地のような建物がある。そこがフリークシティか。この帽子の人がタイトルロール−マグダレーナ・モンテツマなのだろうと思うが、画面が暗いこともあり、半信半疑だ。
フリークシティのデパート。ビニールの透明なレインコートみたいなモノを着た人たち。靴の修理コーナーで、金床にハンマーを打ち付ける大柄な人が、オルランド。これは名前が呼ばれるので明確だ。アナウンサー、館内アナウンスをつとめるのはデルフィーヌ・セイリグ。支配人はゼウスという名前。オルランドと低身長の人たちがエスカレーターで降りて外に出ると、10人以上の人がついていく。セイリグも。赤いペイントが窓にかけられ、セイリグが窓を拭いて外を見る。
庭園。プールの中のモニュメントにはエディ・コンスタンティーヌがいる(同化している?)。胸を槍のようなモノで突かれて死ぬ。ペニスのある女性なんかも出て来るし、仮面を被った親衛隊のような男たちが、トロッコみたいな乗り物に、どんどん不思議な人たちを乗せていく。実は、意味不明な面白さは継続するが、出て来る人たちは、今見ると、いまいちインパクトが弱いと思ってしまった。中に、乳房が左にしかない女性がいる。乳癌による乳房摘出者だろうか。これをフリークと云っていいのか?というような感覚も起こる(劇中フリークとは云われないが)。
前半は奇矯さに呆気に取られながら見たが、後半になると、より普通に面白くなる。それは、ベルリンオリンピック会場の場面の後、ビル屋上の鳥園みたいな場所で行われるパーティシーンから始まるパートだ。シャム双生児(レネとレニの姉妹)の一人・レネがセイリグで、二人でフランス語を喋る場面。セイリグがオルランドと踊ると、もう片方(レニ)が引っ張られる演出。次のパートは、このシャム双生児のセイリグが、オルランドと結婚し、トレーラーハウスで生活している場面。子供もできている。しかし、セイリグでない方(レニ)が、寂しさを紛らわすためにアル中になり、肝臓が悪くなったと云う。体は一蓮托生なのだ。このシーケンスが一番面白いと思った。
続く、醜い者協会のコンテスト、ブサイクオブザイヤーの場面も、まあ面白いというほどでもないが、オルランドがポップな司会をし、セイリグが4人のバニーガールダンサーたちの一人、というのがいい。やっぱりセイリグが一番カッコいいのだ。エンディングでは、司会者のオルランドが、冒頭と同じ帽子を被るショットがあり、フリークシティと書かれた電飾の門から出てきて、下半身埋まった女性の横を通り、斜面を登って行く。冒頭の帽子の人も、やっぱりオルランドだったのだと得心がいった。全体に衣装が抜群に面白い映画だと思った。
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