[コメント] ジェリー(2002/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
『エレファント』以前に製作された作品。聞くところによると、この『ジェリー』は「エレファント」の原点とも呼べる作品だという。「エレファント」は未見だった自分にとって、この映画の公開はまたとないチャンス!だった(笑
OPからして緊迫感が漂う。(不自然で)真っ青な画面が突如として変わり、画面中央に1台の乗用車。…………長い。画面が変わらない。疾走する車が延々と流れ続ける。意図的にしろ、これぞガス・ヴァン・サントの世界なのだと認識させられるのだ。
沈黙する乗車する2人の青年。2人の名前は…わからない。行き先は…わからない。観ている方は解らないことづくし。やがて車は砂漠の脇(ど真ん中?それさえ解らない)に停車する。無論、停車した目的だって解らない。
彼らを幻のような存在として描いたことが大きい成果ではないか。意識の朦朧とするケイシーがマットの幻を見てしまうシーンがあるが、逆にあれはケイシーが現実を見ているのではないのか?!という錯覚にさえ陥ってしまう。もう、何もかもが不明瞭なのだ。それを素晴らしいと思えてしまうのは何故だろう。
そもそも「ジェリー」という造語自体、何を指しているのだろう。日本語訳にはケイシーがマットを「ジェリー!」と呼ぶ場面があったり「お前がジェリったから」…などと言ったりする場面がある。世界観を象徴している言葉ということはもちろん、この映画の行く末をはぐらかす意味のある言葉という理由も考えられるかもしれない。
ラストも印象的だ。重なり合う2人…。このシーンの瞬間は様々な意味で鳥肌が立ってしまった。
そして、車中。親子と生還した者。生還した者が親子を見つめる目。彼は何を思ったのだろう…。
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