[コメント] ジェリー(2002/米)
記号化の試み(レビューはラストに言及)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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限りなく匿名に近い記号化された登場人物と設定から、ある男二人が車を降りて遊歩道をあてもなく歩いていたらいつしか道に迷って…という都市伝説のような「エピソード」として捉えればいいのかと思って見ていた。例えば「ジェリー」という言葉も、このエピソード中では何ら意味を持つものではなく、このエピソードの一部始終を目の当たりにした外部(観客)から見て「ちょっとしたことからドツボにはまっていく様子」を意味するのだと思っていた。
ただ、その解釈だけでは割り切れないものがある。一枚岩から飛び降りるために土をできるだけ柔らかくしてとか、夜の意味不明な言葉のやり取りなど、ただ「エピソード」として機能させるには明らかに無駄とも思えるシーンを執拗に長く見せ続ける。語り手による作為性を排除させ、冷酷とも思えるほどの客観性を維持する試みがおこなわれている。
ところが、最後に片方にトドメをさした直後に片方が救われて…という皮肉に満ちた作為性が現れる。なんとも捉えどころのない作品だが、不気味な透明さだけが後に残される。最後の親子は、なんとなく『惑星ソラリス』で感じた不可思議さを思い出した。
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