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[コメント] 世界でいちばん不運で幸せな私(2003/仏=ベルギー)

プロットは面白いが、主人公二人とも、見ていて苛々する。この身勝手さがウケたのかもしれないけど、俺にはこの身勝手さが逆に苛付く。僕にはこの感性が分かりませんでした。 2005年1月22日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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フランスで大ヒット?俺にはさっぱりわからない。映像は凝っていて、作品自体が非常に粋な出来になっていて、この感覚は非常にフランス的、と言うか何と言うか、別段嫌いじゃないのだけど、物語が、いや、登場人物が全く好きになれない。

コレ、ガキ二人の遊びがエスカレートしていく、って話で留めておけば良かったんじゃないかと思う。大人になってもそれを続けている、と言うのは要するに、「遊び心が有る」か「バカ」かのどっちかだろう。そして、俺にはこの作品の主人公は後者にしか見えなかった。

勿論それをわざと強調し、狙っている、と言うのなら俺は何も言わないけど、この作品がラブストーリーでありたいのならば、そこで客の感情移入を促さない限り物語として成立はせず、主人公二人と同様に物語が暴走する一方だ。それじゃ物語ではない。

物語は徹底的に主人公二人を中心に周り続ける。確かにそれが物語りで、それが映画のあるべき形(と言うか、じゃないと物語は語れない)だけど、こうも自己中心的に回ってもいいのだろうか?というか、人物以上に、プロットが一人歩きしているだけにしか思えない。

個性的で非常に小粋でフレンチなプロットを活かす事も出来ずに持て余している感がある。所々、素晴らしいシーンは確かにあるとは思うが。

とにかく、映画を見るに於いて必要不可欠な感情、例えば共感だの何だのと言った物を何も感じる事が出来ず、面白くは感じなかった。ジャン=ピエール・ジュネ辺りが作ればもっと面白い作品になったかもしれない。

と言うか、別に誰が作ろうと、紙一重で凄い映画に成りえると俺は思う。そして、今回は紙一重でこういう結果になってしまったんだと思う。

(評価:★2)

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