[コメント] 銭形平次捕物控 美人蜘蛛(1960/日)
三隅研次にこのようなスプーフ時代劇があったとは驚いた。このシリーズはすべからくコメディの要素があるのは承知の上だが本作のふざけ方のレベルはちょっと異なっている。芸者歌手・神楽坂浮子によるミュージカル場面もあるし、「リズム」だとか「カミナリ族」だとかの科白が飛び交ったりする。
或いは八五郎の三木のり平をはじめ、スリの桂小金治、女形の茶川一郎、芸者の大和七海路(後の藤原礼子)、絵師を演じる伊沢一郎。太鼓持ちの本郷秀雄らが「ちゃかし」た雰囲気を醸成する。そんな中で、ラスト近くの伊勢の祭りのシーン(クレーン移動で屋根の上の若衆を見せ、そのままカットを割らずに神輿を写す素晴らしいワンカット!)から岸壁を舞台にした大捕り物のモブシーンへと続く奔放な展開と大胆な画面作りは「あゝ紛れもなくこれも三隅作品」だと思わせる。
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