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[コメント] 道成寺(1976/日)

音楽のみ入った、科白やナレーション等は無い、19分のサイレント映画だ。タイトルで分かる通り、安珍清姫の寓話をベースにしているが、これらの名前は使われていない(登場人物に名前はない)。
ゑぎ

 若い僧が、熊野詣のおりに、一夜の宿を借りるが、宿の主の女に追いかけられる、というかたちにアレンジされている。まずは、宿の女の登場カットが、ロングショットから寄っていくと、瞬きをする、という鮮烈なものだ。逃げる僧を追う、走る女の過剰な表現も凄い。髪の毛、着物の裾、足は裸足。そして、日高川を前にした女が強風にさらされるカット。川へ飛び込んで泳ぐ女が鬼になり、ついには龍になる。僧は道成寺へ逃げ込み、鐘の中に隠れるが、龍は鐘の周りで炎を吐く。ポイントを絞ったズーミングとディゾルブの活用で、面白く見せる。しかし瞠目するのは、何と云っても風の表現だろう。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)づん[*]

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