[コメント] 恋の門(2004/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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金曜の19時からの上映、と言う事も手伝ってかキャパ4分の3くらいが埋まり、男性客は、見た感じ軽く数えて5人程度。上映前、場内は女性の話し声でざわざわ。別に構わないのだけど、こういう雰囲気ってどうも苦手で一人小さくなってました(アホ)まあ、『スターシップ・トゥルーパーズ2』を初日に見に行った時の、あの硬派な雰囲気で見る映画じゃないけど(笑)
しかし、この映画ってこんなに人気あったんだ。ちょっと驚き。
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「比類なき鬼才松尾スズキ初監督作品」とか宣伝されて炊けど、俺実は松尾スズキって人を知らなかった(恥)劇中で顔見て「あぁ、この人か」って言うのはあったけど。しかし、凄いカメオ出演の量だ。勿論俺の目当ては三池崇史と塚本晋也であって、決して酒井若菜が見たかった訳じゃない。うん。断じて松尾スズキが羨ましいだなんて思って居ない。うん・・・うん・・・・だ、断じて(泣
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とてもシュールで良い意味で荒唐無稽で面白い作品。予告編を見た地点でシュールさとテンションで乗り切る作品、と言う全体像は容易に想像できていた反面、「それ一辺倒の作品で多分ノレないだろうなぁ」と思っての鑑賞だけど、以外にも脚本がしっかりしていて中々面白い作品だった。ラブコメとしても、一人の青年の成長の物語としても。
但し、やっぱりこのテンションを最初から最後まで押し切ると、クライマックスが見えてこないと思う。で、そのお陰で途中で飽きてしまう映画もあると思うのだけど、この映画は脚本が割りとしっかりしているので、そこは乗り切れて居ると思うのだけど・・・なんだか途中で「アレ、そろそろクライマックスだよな?」と思って思わず時計を見てしまう自分が居たのも事実。
全編テンションを通す難しさは分かるけど、それでクライマックスが盛り上がらないと正直作品としてあまり印象が残らない気もするのだけどなぁ・・・。この映画の場合、全編通して盛り上がっているから、起承転結全て同じテンションで、後から残る印象は「楽しい映画だったなぁ」と言う表面的な物で、もっともっとパンチが足りなかった印象を受けた。
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ただ、ラスト、パーティー会場で恋乃(酒井若菜)の元に『鉄男』の田口トモロヲみたいな石人間の門(松田龍平)が登場し、ちょっと良い空気になった所で、恋乃がゲロ吐いて逃亡。「王道を破壊するのが彼女なのよ」みたいな事を元信者の女性が呟く。
ここで少々面食らって「やっぱりこの映画はマトモな映画じゃなかった!」と再認識したのだけど、その直後に松田龍平がLPガスに突っ込んで爆発。
花びらの舞う中を酒井若菜が松田龍平に歩み寄る、と言う徹底的な王道に帰結する所に、演出と言うか展開の巧さを感じ、思わず「巧い!」と呟いてしまった。見事な展開。コレがなかったら★3だったなぁ、確実に。
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このストーリー(「芸術とは」「恋とは」みたいな)をテンションが壊している感があって、少々残念で、見終わった後に特に何かが残ったと言う印象は受けなかったのだけど、見ている間は楽しめたので★4(★3.5)
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