[コメント] 宝島(1987/日)
TV版は生憎観ていないのだが、出崎演出の素晴らしさの片鱗は充分に見せ付けてくれた。少年の心に思い出を残す、愛すべき悪党シルバーの姿は、胸躍る主題歌の旋律とともに(ただし劇中での使い方は一考すべきもの)、胸に熱いものを焼き付けて離さない。
出崎統監督は世代間の確執を描かせたら、他のアニメ監督の追随を許さない実力派だ。誰だったろう、大人をアニメでリアルに描くことがアニメに必要か、と問うた。俺は答える、大いに必要だと。実写でさえ出崎の描く大人を衒いもせず、爽やかに演じられる俳優はやっぱり探せない。萌えアニメだの動物マスコットアニメだのを強制的に撮らされている監督の現在はやはり悲し過ぎる。
せめてもう一本、男の滾る血を心行くまで描くに足る物語を撮らせてほしい、と制作陣にお願いする次第である。
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