[コメント] トルク(2004/米)
この映画は凄い。なにが凄いって、その世界観の頭の悪さだ。 スピード狂な主人公と仲間達、夢の高性能マシーン、ナイスバディな金髪ねーちゃん、 自らの誇りをかけてバイクでスピード勝負、と一昔前に田舎に住んでいた族のヒト達が初夢で見そうな世界観をそのまま映画にしてしまったかのようだ。後半、市街地での チェイスなど、もうやりすぎで手に汗握るというより、唖然としてアゴが外れてしまいそうだ。私はバイクには乗ったこと無いが、そんな私でも「おい、そりゃやりすぎだろ!」 と突っ込み入れたくなるくらいなので、バイクが好きな人が見たら切れてしまうかもしれない(切れたかどうかはわからないが、ライダー風の人達も大勢劇場で見ました)。
設定も演出もはっきり言ってもの凄くコテコテなのだが、あまりに直球勝負すぎて近年の凝りに凝ったストーリーやキャラ設定の映画を見なれた身にはかえって新鮮に見えた。 芸術性や隠れたメッセージなどは微塵もない。製作者もアホアホな作品だがそれを 気にすること無くひたすらエンターティメントに徹している。例えるなら就職のエントリーシートとかの愛読書の欄に「開高健」「司馬遼太郎」とか周りが書いてるのを尻目に「アサヒ芸能」「猿岩石日記」とか書いて1分くらい「ウハハー!」と大笑いしている、そんな開き直りを感じた(あまりのアホさにラジー賞にノミネート?されたとか)。
しかし、バイクという物(他に時計とか車とかカメラとか模型とか諸々に言えるが)に対する執着・こだわり、自らのアイデンテティをかけて戦うというのはまさに男の物語であり、アホではあるが共感できる部分も多い(男は元々アホな動物ってこともあるけど)。90分以下の上映時間でテンポ良くストーリーが進み、アクションシーンも後半などやりすぎの部分もあるがかなり笑えて楽しめるので是非ご鑑賞する事をお勧めします。
ただ間違ってもデートムービーには選ばないように。 かなりの高確率で彼女にどつかれると思いますので。
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