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[コメント] トルク(2004/米)

「友情・勝利・爆発」の美学。リアリティの欠如に辟易するが、子ども向け作品と考え、週刊ジャンプ流に「友情・勝利・爆発」なアメコミ加減を軸に見ると、あら不思議、爆笑できて★三つに。060702
しど

この作品、あまりに上っ面な雰囲気に満ちていて、冒頭部分で辟易としたのが正直なところ。バイク映画ときけば暴力描写をイメージするもんだが、その割にPG-13(13歳以下は親同伴)で子供も見られるし、そうすっとこの映画はどういうタイプなのかなー、と考えるうち、なるほど、ヨーロピアンタイプのバイクにピカピカのツナギで荒野を走ってる不自然な「上っ面」もマンガ的表現だから許されてるんだろうと思い当たる。

じゃあ、アメリカの子どもはどんなものに満足するんだろうか、なんて考えながら見始めると、もう、あらゆるガキっぽいご都合主義に気づいて大爆笑しつつ、アメリカ人の子供心に沁み付いてる娯楽の法則は「友情・勝利・爆発」だと気づいた。他にも日本のマンガに歌舞伎の「見得」が「キメポーズ」として取り込まれているように、アメリカでは「キメゼリフ」がそれに当たるとわかる。人種の割合や役割などのステレオタイプなど、そんなあれこれな様式を大人向けの別の娯楽作品にも当てはめてみたりするうち、これはこれで、ハリウッド的な様式美を突き詰めてる作品なんだなー、などと関心しつつ、やっぱり爆発シーンで爆笑しちゃったりするのである。

映画それ自体の質が低いのはたしかだが、映像はきちんとしてるし、意外に『コマンドー』的な楽しみ方ができる。大勢でワイワイ言いながら見るパーティ作品としては大満足だろう。

(評価:★2)

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