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[コメント] ゴジラ FINAL WARS(2004/日)

ミュータント特殊部隊とX星人との戦いがゴジラ以上に際立っていて、ゴジラ自体は蚊帳の外に置かれた印象で、これを「ゴジラ」のシリーズ作とする意味合いが弱い気がする。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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ゴジラ』シリーズの50作目にして最終作。

今回はシリーズ最終作ということもあって、かなりの数の怪獣を登場させるだけでなく、『X-MEN』さながらにミュータントたちで結成された特殊部隊を登場させ、怪物やX星人と戦ったりとアクション部分に関してはシリーズ中で一番のスケールの大きさを感じる。さらに怪獣の特撮も今までにあったのったりと動くスローテンポな雰囲気ではなく、スピード感のある実にテンポのいいアクションを披露している。

作品自体は全編戦いの連続でストーリーも『ゴジラ』シリーズを含めた往年の東宝特撮作品のパロディシーンが多用されていて、ストーリー性はないに等しい。ミュータント特殊部隊とエビラの戦闘や特殊部隊の戦闘機をX星人の小型戦闘機が打ち落とすシーンの演出、人間がかなりあっけなくやられてしまうあたりなど映画的には『スターシップ・トゥルーパーズ』の雰囲気に近い。メインキャラを演じる役者の拙い演技もアクションシーンがかなり迫力がありそれほど気にならなかった。ケイン・コスギの日本語の台詞は思ったほどひどくなく、むしろヒロインの美雪役菊川怜の台詞回しに下手さを感じた。

ただ、この映画地球を支配しに来たX星人と特殊部隊との戦いがゴジラの戦い以上に際立っていて、ゴジラの存在自体は蚊帳の外に置かれているような印象でこれを「ゴジラ」のシリーズ作とする意味合いが弱い気がする。特にラストは本来ならゴジラをメインに展開していれば新キャラであるミスターX対ゴジラの戦闘シーンがメインシーンになるはずが特殊部隊の尾崎と北村一樹演じるX星人の格闘シーンが重点に置かれているため印象が薄い。さらにその後ミスターXが進化しカイザーギトラとなってゴジラと戦うところではストーリー上は尾崎とX星人との戦いで決着が付いているので、ただただ戦いをくどく見せ付けているだけとなってしまった。

正直、ゴジラを絡めたいのなら中盤からでなく、序盤から登場させるべきではなかったのか。中途半端にストーリーに絡んでくるために構成上のバランスの悪さを感じてしまった。それと、X星人の地球支配が人間を生け捕りにしてミトコンドリアを摂取するのが目的なら中盤でX星人が怒って各国を怪獣に襲わせるのは筋違いではないのか。生け捕りが目的なら街をあれだけ破壊してしまっては生け捕りはおろか崩壊したガレキによって大量の人間が死んでしまい人間を捕獲することすら困難になるのではないのか。今までドラマ的な展開が全くなかったのにラストになって尾崎がいきなり救世主として超能力を覚醒させゴジラをパワーアップさせるシーンも強引だった。後、外国人のキャストに日本語吹き替えの台詞を喋らせて欲しくなかった。誇張な台詞回しのせいでせっかく迫力のある特撮シーンでもかなり萎えてしまった。

総評としては『ゴジラ』シリーズを利用して、ストーリー性を無視してひたすらアクションを見せる映画に徹した感じで『ゴジラ』シリーズの枠に囚われずに純粋にアクションを楽しむ映画と割り切ればそこそこ楽しめる。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ゆーこ and One thing 茅ヶ崎まゆ子[*]

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