それにしても、あれだけ死体っぽいメイクをしてピクリとも動かなかったら、誰だって死体だと思うっつーの。その発想だけでもう脱帽。あの一瞬のためだけに、この映画が存在すると言っても過言ではない。繰り返して観るようなタイプの映画では絶対ないけど。

ホラーとは違うが、サスペンスとして観てもなかなか秀逸。『フォーン・ブース』の電話ボックスや「バイオハザード」の洋館のような、閉鎖された空間というのも緊張感を出してよい。

ジグソウの動機が不純だとか、現実的に考えて死期の近い老人があんな長時間死んだふりができるのか、とか後から突っ込みだすときりがないけど、観ている間はこれっぽちもそれを感じさせないのは、まさに演出の妙。ハラハラドキドキさせられっぱなしで、細かいところに注目する暇がないもの。

しかし、続編ではグロさとエグさを磨き上げるという、見当違いの方向に進んでしまったのが残念。まあ、監督が変わった続編なんてそんなもんか。